No.83 (オランダ独立と英の絶対王政)  : 

「西(スペイン)→蘭→英の主役交替とはどういうものか?」

イギリスは、スペインの無敵艦隊(オランダの独立を支援するエリザベス1世に脅し
をかけるために派遣された)をアルマダ海戦で破り、オランダの独立を助けるととも
に、大西洋の制海権をスペインから奪った。その後、独立に成功したオランダが17
世紀前半に全盛を迎えたが、1652年から3回にわたりイギリスはオランダの政治
的・経済的な弱み(連邦制で中央集権が弱い・中継貿易中心で国内産業が未発
達)につけこみ英蘭戦争によってオランダを破った。このようにして主役の座はイギ
リスに移っていった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
イギリス女王エリザベス1世が、当時ヨーロッパ最強であった「太陽の沈まない王
国」スペインの「無敵艦隊」を、アルマダ海戦で破ったことに大きな関心を持ちなが
ら、学習に臨んでいる。

思考・判断:
オランダの独立を支援したイギリスに対する、スペインの脅迫的な対英上陸作戦を
失敗させたことを、アルマダ海戦の意義として的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
アルマダ海戦や、英蘭戦争の主要な戦場となった場所を地図上に示すことにより、
大西洋の制海権を巡るイギリスとスペイン・オランダの争いについて、地理的に把
握しようとしている。

知識・理解:
イギリスは、16世紀後半の女王エリザベス1世の時代にスペインを破り、17世紀後
半のクロムウェルの共和政から王政復古の時代にオランダを破って大西洋の制海
権を確保し、19世紀の大英帝国の基礎を築いたことについて、基本的な知識を身に
つけている。